【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第82章 ◇第八十一話◇目撃者【恋の行方編】
怪しい場所をハンジが説明し終えた途端に、タキシード姿のままでリヴァイが飛び出してすぐ、ゲルガー達も作戦会議室から出た。
あっという間に外に出て行っただろうと思っていたリヴァイだったが、意外とまだ廊下にいた。
自分の部屋の前で、自分の手元を見ている。
着替えてから行こうと思っているのだろうかー。
出来るだけ早くを探しに行きたくて、着替える気はないのだと思っていたが、確かにタキシード姿のままだと動きづらい。
「リヴァイ、何やってんだ。着替えてから行くのか?
俺もそれがいいと思うぜ。」
ゲルガーが声をかけると、リヴァイは手元から顔を上げた。
「それなんだ?」
ゲルガーは、リヴァイが手元に持っているメモ紙を指さした。
さっき、会議室から出たときはそんなもの持っていなかったと思うのだがー。
「何でもねぇ。」
リヴァイは怖い顔で短く答え、メモ紙のようなものを握り潰し、自分のタキシードパンツのポケットに押し込んだ。
そして、ハンジに自分は1人で探しに行くから誰もつけなくていいと告げて、急いで走り去ってしまう。
「えーーっ!ちょっとっ!リヴァイは、リヴァイ班連れてって!
…て、もういないし。」
階段を落ちるように降りて行ったリヴァイの消えた背中に、ハンジがため息を吐いた。