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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第80章 ◇第七十九話◇廻りだす運命の歯車【恋の行方編】


調査兵達の目を気にしているように見えた。
何か言いづらいことを言おうとしているようなー。
そう思ったのはジャンだけではなかったようで、エルヴィンが、どんなことでも構わないから話してほしいと伝えれば、漸く母親が続きを話し出す。

「さんという方はとても感じのいい女性で、
子供も優しいお姉ちゃんだったと言っていました。
子供を助けてくれて私もとても感謝しています。ただ…。」

母親はまた、言いづらそうな顔をして調査兵達をチラチラと見る。

「大丈夫だ。気にしないで、教えてくれ。」
「一緒にいらした兵士さん達は、すごく感じが悪くて…。」

母親が、尻しぼみになりながら教えてくれたそれを聞いて、言いづらそうにしていた理由を理解する。
それは、調査兵達、しかも団長の前では言いたくないだろう。

「どんな感じにかな?私は部下を指導しなければならない立場にある。
詳しく教えてもらえると助かるのだが。」

エルヴィンがそう言うと、母親はホッとしたようで言葉を少し饒舌にした。
その調査兵達に対して、思うことが多々あったようだ。

「女性の方をとにかく出来るだけ早く兵舎に連れて帰りたいようでした。
だから、迷子の息子のことを邪魔に思っていたようで
私を探している間も、息子は、おねえちゃんは優しかったけど、おにいちゃんは怖かったと…。」
「それは息子さんにも申し訳ないことをしてしまった。
私からも謝らせてくれ。
具体的に何か言っていたとか、言われたとかはあるかな?」
「いえ…、無理して親切にしてるような嫌な笑顔ではありましたけど
ひどいことを言われたりは…。
あ、でも…。」
「でも、何かな?」
「いえ…、私に何か言われたわけではないので、大丈夫です。」

母親は思い直したように言って、首を横に振った。
だが、どうしてもその続きをエルヴィンは聞きたいようだった。
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