【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第78章 ◇第七十七話◇絵本の世界へようこそ【恋の行方編】
「ルーカスは悪い人じゃないです。
悪いのは、勝手なことをした私だから、怒らないでください。」
たまらず、私はリヴァイ兵長の腕に手を添えて懇願した。
「…分かった。」
リヴァイ兵長が頷いてくれて、私はホッと胸を撫でおろす。
「それならよかった。それじゃ、君の恋人を少し借りてもいいかい?
一曲、一緒に踊ってもらいたいんだ。」
「調子に乗るんじゃねぇ。」
リヴァイ兵長がギロリとルーカスを睨みつける。
「君は浮気をして僕からを奪ったんだったね。
それなら、お詫びのしるしとして、それくらい、叶えてくれてもいいだろう?」
「悪いが、俺はお前に詫びる気は欠片もねぇ。」
「それなら、僕は今ここで泣き喚いてしまうけどいいかい?
調査兵団の兵士長が貴族から恋人を奪ったなんて、
しかも浮気だなんて、世間はどう思うだろうね。」
「ルーカス、そんなこと…。」
「ヒドイことを言っているのは、僕も分かっているよ。
でも、どうしても最後の想い出が欲しいんだ。
お願いだよ、僕の願いを叶えてくれ。」
切なそうに懇願するルーカスに、リヴァイ兵長はしばらく黙り込んだ後、仕方なく了承した。
ルーカスに対して罪悪感のある私に、断る理由なんてない。
ホッと胸を撫でおろしたルーカスが、嬉しそうに私に差し出した手をとって、立ち上がった。