【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第69章 ◇第六十八話◇懐かしい腕【恋の行方編】
明日は、待ちに待った非番の日だ。
最近は、自身の復習も含めて、104期の新兵の座学指導をしている。
身体を使わないので、体力的には楽なのだけれど、頭を使う任務はそれはそれでとても疲れるものだ。
だから、リフレッシュも兼ねてテュランを連れてウォール・ローゼの草原に散歩に行こうと思っていたのにー。
「なんで、ダメなんですかっ?」
数日前からお願いしていたトロスト区の内門通行許可証の発行の確認をするためにハンジさんの執務室兼自室を訪れていた私は、悲痛な声を上げた。
実家にいる頃だって、トロスト区の内門通行許可証ならそれほど苦労せずに発行してもらうことが出来ていた。
今は兵士という肩書もあるのだから、以前よりもより簡単に許可が通ると思っていたのだ。
それなのにー。
「最近、強盗殺人事件が起きてるのは知ってるだろう?」
「はい。駐屯兵が話しているのを聞いたことがあります。」
「それで、エルヴィンが危険だからトロスト区から出るのは禁止だって。」
「そんな…。じゃあ、テュランとどこに散歩に行けばいいんですか?!」
「兵舎にもほら、厩舎のそばに広場があるだろ?そこはどう?」
「…。」
ハンジさんも意地悪で言ってるわけではないから、これ以上我儘も言えない。