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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第10章 ◇第九話◇震える背中の覚悟【調査兵団入団編】


が入団を決めてくれた時点で、彼女の家族を内地へ移住させてあげたかった。
そうすることで、はきっと、安心して壁外への任務を遂行することが出来るだろうから。
でも、エルヴィンの回答は今言った通りだった。リヴァイもそれに賛成のようだった。
エルヴィンの言っていることも分かるから、悪いが今回はに引き下がってもらうしかない。
の戦闘を見ているハンジは、彼女のテスト合格を確信している。
でも、訓練中何があるか分からないし、もしかすると兵士としての適性がないかもしれない。
誰にも分らないのだ、未来のことなんて―。

「訓練の手を抜くつもりはありません。」
「もし、君が全力で訓練に取り組んでくれたとしても、テストに合格できるとは限らない。
 兵士の世界は、甘くないのだ。」
「知っています。」
「…そうだったな。君はあの地獄を見たんだったな。」
「家族の安全が確認できた暁には、エルヴィン団長が誇れる調査兵になると約束します!
 私の命を懸けて!!必ず!!」

慣れない敬礼ポーズ。
だが、最初に彼女が見せた弱弱しい背中はもう、そこにはなかった。
彼女の華奢な背中には、家族の未来が乗っているのか。
だからなのか、とても力強く見えた。
伸びた背筋が、カッコよかった。

「、心臓が右になってるよ。」
「あ!」

慌てて敬礼の腕を右に変えた背中が可愛くて、ハンジはまた笑った。
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