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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第10章 ◇第九話◇震える背中の覚悟【調査兵団入団編】


本当に、彼女は大した女だ。
弱いと思っているのは、世界にきっと彼女だけだ。
彼女を知っている誰もがきっと、は強い!気が強すぎる!と言うだろう。
思わずククッと笑いが出て、エルヴィンに睨まれてしまった。
ーごめん、エルヴィン。

「だが、こうも言っていた。兵士としての基本は、何もなっていなかった、と。」
「でしょうね。基本がなっていたら、自分を呪います。呪い死にます。」

あぁ、もうこれ以上、笑わせないでくれ。
ハンジは、笑いを堪えきれずに喉の奥から漏れてしまう。
そして、またエルヴィンに睨まれた。
分かっている。今は笑うときじゃないし、彼女だって真剣なのだ。
―だから、面白いんだけど。
また笑ってしまって、今度はエルヴィンにため息を吐かれた。

「私もまだ君の戦闘を見たことがないので、その実力を測ることは出来ない。
 後でハンジに案内させるが、この兵舎の隣には訓練所が併設されている。
 そこで、まず、君には訓練をしてもらう。」
「訓練?」
「君には調査兵団のベテラン兵士達がみっちりついて兵士の基本を叩きこむ。 
 そして、最終訓練まで終えたら、調査兵の兵士として相応しいのかのテストを行う。
 テストに合格したら、晴れて君を調査兵団に迎え入れよう。」
「分かりました。」
「準備が整い次第、我々は壁外調査に出る予定だ。
 テストはその前に行う。合格後、君にもその壁外調査に参加してもらう。」
「…はい。」
「テストに合格したら、速やかに君の家族を内地へ移住させると約束する。
精一杯訓練に励んでくれたまえ。」

エルヴィンの話を嫌々聞いていたは、最後のその一言で雰囲気を変えた。

「ダメです。」
「何がだね?」
「今すぐに、私の家族の内地移住は今すぐ行ってください。速やかに。」
「…それは、君が調査兵団についてこれるだけの力があるのか分からない今の状態で、ということかな。」
「そうです。」
「それは難しいな。君は訓練を適当にやり過ごし、わざと不合格になるかもしれない。」

ここに来る前に、ハンジもエルヴィンに同じことをお願いをしたのだ。
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