• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第68章 ◇第六十七話◇シュトレンと恋心【恋の行方編】


トロスト区にしては高級志向な食事屋がある。
調査兵団や駐屯兵団のトップや、視察に訪れた憲兵や王政のお偉い方達の御用達で、民間人が利用することはあまりない。
私もその店の存在は知っていたけれど、入ったことはない。
巨人襲来を受けて、外壁等に被害もあったらしいが、そこまでひどいものではなく、明日、ようやく営業が再開されることになった。
その最初のお客としての招待状が調査兵団に届いたのは、一週間ほど前だった。
営業再開にあたって、調査兵団と駐屯兵団の協力を感謝したいということだった。

「どのお酒がいいんですか?」
「んー、まぁちょっと待ってくれ。」

ズラリと並んだお酒の棚の前で、前屈みになるゲルガーさんはとても真剣そうにお酒の銘柄と香りを確かめている。
私服姿の私達は、非番を楽しんでいるように見えるかもしれないけれど、これもれっきとした任務だ。
営業再開祝いに持って行く土産を、酒と菓子に決めたエルヴィン団長の指示で、私とゲルガーさんは酒屋にやってきているのだ。
不要なものまで買ってこないようにーという監視役を命じられたリヴァイ兵長は、つまらなそうな顔で試飲コーナーの椅子に座っている。
あまりお酒は好きではないのかもしれない。
監視するつもりがあるとは到底思えないが、「好きにしろ。」と自由に選ばせてもらえているゲルガーさんのご機嫌はすこぶる良い。
お酒の瓶をひとつひとつ手にとっては、香りを楽しむゲルガーさんを眺めるのにも飽きてきた私は、酒屋の中を歩き回ることにした。
先日のお酒の失敗はあったものの、特別お酒に弱いわけではない私は、だからといってお酒を好んで飲むタイプでもない。
酒屋に入るのも初めてで、実はちょっぴりワクワクしている。
そして、見つけた。
試飲コーナーにある美味しそうなチーズ。
お酒と合うおつまみ系も売っているらしい。しかも、試食できるようだ。

/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp