【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第67章 ◇第六十六話◇ただの上司と部下【恋の行方編】
「もう新しい恋をしちゃおうっ!それが一番いいよ!!」
ペトラが明るく言って、私の背中を一度軽く叩いた。
「私も思ったんだけどね、残念ながら相手がいないの。」
「あの子は?ジャンって子。」
「もうあの子って言ってる時点で、恋愛対象じゃないじゃん。」
「それは私にとってはそうだけど、にとっては違うかもしれないでしょ?」
「一緒だよ~。だって、16だよ。犯罪だよ。」
「誘惑しようとしたくせに?」
「まぁ…、そうだけど。」
「そのとき分かったでしょ。16でも立派な男だって。」
「そうだね。男だった。喉仏が、すごく男だった。」
「…その感想はよくわからないけど。」
言った後、ペトラは、抱きしめていた私の身体を少し離した。
そして、私の顔を見てから続ける。
「私は、を大切にしてくれる人なら、
それがリヴァイ兵長じゃなくてもいいと思ってる。
ジャンって子でもいいし、この際、ハンジさんでもいい。」
「ハンジさん?」
そこでなぜか突然現れた名前に思わず笑ってしまった私だったけれど、ペトラは真剣だった。
あの強い瞳で、私をまっすぐに見て、私のための言葉をくれた。
「が本当に幸せだと思う選択をしてね。」
「ありがとう。」
ペトラの優しさは私の胸に届く。
でも、自信を持って頷けないから、下手くそな笑顔を隠すようにペトラを抱きしめ返した。
「それで、ペトラの新しい好きな人は誰なの?進展してるの?」
「あー…、それはまだ心の整理がついてないから、もうちょっと待って。
あー、もうほんと、自分でも信じられない。もうやだ。」
ペトラは、さっきまでの力強い声とはまるで別人のように言って、大きなため息を吐いた。