【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第67章 ◇第六十六話◇ただの上司と部下【恋の行方編】
目が合ったモブリットさんは、さっき幽霊を見たような顔でリヴァイ兵長を見ていたハンジさんに似ている。
「…あの、どうしたんですか?」
「今、リヴァイ兵長と喋ってた、よな?」
呆然とした顔のままでモブリットさんに訊ねられて、ようやく合点がいく。
少し会話を交わしただけでハンジさんとモブリットさんを驚かせてしまうくらい、昨日までの私は、あからさまにリヴァイ兵長に嫌われていたのだろうー。
「お情けです。」
「お情け?」
私の答えに首を傾げたのは、ハンジさんだった。
でも、それ以上の答えは持ち合わせていない。
今の私とリヴァイ兵長の関係を言葉にするならそれは、お情け、だ。
仕方なく、昨日の夜、リヴァイ兵長が赦してくれただけなのだからー。
あぁ、そういえば聞いたことがある。
失恋を忘れるのには、新しい恋をするのが一番早いとー。
でも、新しい恋の相手なんて思いつかない。
そして、思い浮かんだ顔が1人ー。
「昔の婚約者にもう一度恋をするって、なんかロマンチックですかね。」
私は少し笑いながら、冗談のつもりで言ったのだけれどー。
「絶対ダメっ!!」
「ダメだっ!!」
必死な顔をしたハンジさんとモブリットさんに、猛烈に反対された。