【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第64章 ◇第六十三話◇雲を払う【恋の行方編】
今のの心はきっと、分厚い雲に覆われているのだろう。でも、光が消えているわけじゃない。雲の向こうには必ず光があるのだと、ペトラは知っている。
だから、不器用でも、一生懸命に、ただただ自分のためだけに必死になってくれて、そして分厚い雲を払ってくれる人がいたのなら。
そして、ほんの小さな切れ間だって見せてくれたのなら、その誰かにが恋に落ちてしまったとしても、なにも不思議なことではないのだ。
むしろ、その方が幸せなことだってあってー。
「誰が掻っ攫っても構わねぇ。俺よりはマシだ。」
リヴァイはそう言うと、とジャンに背を向けて歩き出す。
どうしても、の気持ちを受け止めるつもりはないらしい。
それならどうしてー。
「それなら、あんなに切なそうにを見ないでください…。」
ペトラの胸に懐かしい痛みが走る。
どうして恋は、こんなに私達を苦しめるのだろう。
誰もがきっと、幸せを願っているのにー。
幸せになる権利が、あるはずなのにー。