【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第8章 ◇第七話◇残された選択肢【調査兵団入団編】
彼らは、時間通りにやってきた。
そして、私は初めて、抵抗せずに馬車に乗りこんだ。
気持ちは、固めてきた―。
「よろしくお願いします…。」
笑えるくらいに弱弱しい情けない声。
でも、私にはもう選択肢なんて残されていなかった。
「ありがとう。君の勇気に感謝する。」
エルヴィン団長の声は優しくて、後ろめたさの欠片も感じなかった。
それから、ハンジさんが、これからのことについて簡単に説明してくれた。
まずは、私は、トロスト区に戻って、調査兵団の兵舎に入らなければならないらしい。
兵士はみんな寮生活なのだそうだ。
全員が寝食を共にすることで仲間意識を高めるためだとか何とか言っていたが、そんなこと、私には正直どうでもよかった。
私がしっかりと話を聞いたのは、家族の内地への移住についての説明だけだ。