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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第60章 ◇第五十九話◇雨の日の兵士の憂鬱【恋の行方編】


イルゼ・ラングナーが遺した戦記には、巨人と意思の疎通が出来たと記されていた。
そして、彼女が意思の疎通が出来た巨人を見たと思われる場所は、あの巨大樹の森。
ルルが命を奪われた、巨大樹の森。
同じ場所で、リヴァイ兵長や私達は、巨人の大群も発見している。
そこに何かヒントがあるのではないか、というのがエルヴィン団長ら上官達の考えのようだった。
次回の壁外調査にこの任務を加えなかったのは、今行っている巨人実験の情報としてもイルゼ・ラングナーが見つけた発見が必要だからだ。
巨人実験の情報は、次回の壁外調査にも重要な役割を果たすことになるだろう。
それなのに、雨が続いていることで巨人実験が思うように進まないことも、今回の強引な壁外任務の理由でもあるのかもしれない。

(行きたく、ない…っ。)

壁外任務の配置図、そしてそこにナナバさんら精鋭兵と並んで書かれているのは私の名前。
ハンジさんの分隊は巨人実験のために兵舎に残るのに、どうして私の名前だけー。
書類に皴が寄ったのは、私の心に恐怖が押し寄せているせいだった。

「ごめんな、。」

私の震える手に、ハンジさんの大きくて綺麗な手が添えられた。
書類を睨みつけていたことに気づいて、私はハッとして顔を上げた。

「今回の壁外任務はいつもとは違う。距離も長くなるし、危険も伴うから
 少しでも多くの精鋭を集めたかったんだ。にとって巨大樹の森が、
 どんな場所かは分かってる。だけどここは、どうか踏ん張ってほしい。」

悲しそうに私を見ているハンジさんの向こうに、私のことを心配そうに見ているナナバさん達の顔があった。

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