【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第60章 ◇第五十九話◇雨の日の兵士の憂鬱【恋の行方編】
ナナバさんに連れられた私が会議室に入ったときには、収集がかけられたメンバーは全員揃っていた。
ハンジ分隊長やミケ分隊長ら分隊長達と数名の精鋭兵の中に、当然のようにリヴァイ兵長もいて、エルヴィン団長の隣で椅子に背中を預けて足を組んで座っていた。
もちろん、私の方を見ることなんてなくて、不機嫌そうに書類を睨みつけていた。
「はい、もどうぞ。」
空いてる席に着くと、ハンジさんに書類を渡された。
リヴァイ兵長が睨みつけているのは、どうやらこの書類のようだ。
雨で空いた時間に緊急会議を行うことになったことは、ここへ来る前にナナバさんから聞いていた。
「それでは、全員が揃ったところで次回壁外調査に向けての
壁外任務についての会議を始める。」
エルヴィン団長の号令で会議が始まり、私は改めて書類に目を落とす。
さっと確認する限り、まだ次回の壁外調査の日程は決まってはいないようだ。
その前の準備の壁外任務を終えてから、日程調整を行うのだろう。
「ーということで、まずはいくつかの分隊と数名の精鋭兵に
イルゼ・ラングナーの遺した戦記他、情報を探しに向かってもらう。」
ナナバさんの説明を聞きながら、私が握る書類が小さく震えていた。
いや、震えていたのは、私の手だ。