【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第55章 ◇第五十四話◇魚も溺れる夜【恋の行方編】
おずおずと私のシャツに近づいてい来るジャンの手。
部屋中に爆発みたいな大きな音が響いたのは、ちょうど一番上のボタンをジャンが外した時だった。
壊れたんじゃないかというくらいの勢いで開いた扉に驚いて、私とジャンの動きが止まった。
焦った様子のジャンの下で、開いた扉の方を向いた私は自分の目を疑った。
ジャンが顔を真っ青にしていることに気づきもしないで、私は、部屋の中央に立ってこちらを睨みつける鬼をぼんやりと眺めていた。
(なんでリヴァイ兵長が…?あれ?ジーニーは?)
自分がジャンと何をしようとしていたのかも、リヴァイ兵長に何を見られてしまったのかも、何も考えもしないで、私はそんなことを思っていた。