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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第7章 ◇第六話◇悪魔の囁き【調査兵団入団編】


本当に嬉しそうな無邪気な笑顔に、私はただ聞かずにはいられなかった。

「…私だけって?…私の家族は?」
「それは…、僕も必死にお願いしたんだけど、どうしてもダメだって。
 でも、君だけならー。」
「だって、プロポーズしたときは、私の家族も一緒に
 ストヘス区に来てもらうって言ったじゃないっ。」
「そうなんだけど、状況が変わったんだよ。
 どうしても君の家族までは―。」
「どうしてよ!私の家族を内地に連れて行ってくれるって言ったから、私は…!!」

そこまで叫んで、口をつぐんだ。
ルーカスのまっすぐの視線を感じる。でも、私はルーカスの顔を見れない。そのまっすぐの瞳を見つめることは、出来ない。

「私は、何かな?」
「…何でもない。」
「そう。」

気まずい沈黙。
ルーカスを失望させてしまったに違いない。
結婚を受け入れた理由が、自分と自分の家族の安全のためだっただなんて。自分を愛しているからではなかっただなんて、彼を傷つけるのには十分すぎる。
私と結婚するために、両親だけではなく、きっと他の貴族達まで説得して、なんとか条件付きで結婚を認めてもらえたのだろう。
そのことを、私はちゃんと知っているいるのに。
なにより、彼の誠実で一途な愛を、私は真正面から受け止めてきたはずなのにー。
それからルーカスとどうやって別れたのか覚えていない。
でも「またね。」のキスがなかったことと彼の悲しそうな瞳だけは、ボーッとする頭で理解していた。

(どうしよう…。こんなところにいたらいつかまた巨人が来るのに…。
私だけ内地に行くんじゃ意味がない。どうにかして家族も…。)

優しい恋人を傷つけてもなお、私は自分と家族の安全の心配ばかりしている最低な人間だ。
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