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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第54章 ◇第五十三話◇気づかれない思惑【恋の行方編】


「そういえば、はハンジ分隊長のところで巨人の実験しているんだったな。
 大変なんじゃないか?」

ライナーが思い出したように言った。

「ハンジさんが興奮しちゃって、それは鎮めるのは大変かな。」

痛覚実験のときに、泣きながら巨人に槍を刺していたハンジさんを思い出して苦笑する。
確かに、彼らはとても痛そうにしていた。
彼らには痛みというのがあるようだった。
でも、それは人間も同じだ。
彼らに命を踏みにじられた人間は、心も痛んでいるのだ。
理性のない、彼らと違ってー。

「さん?どうかしました?」
「え?あ、ううん、何でもないよ。
 巨人のことをもっとちゃんと知らなくちゃなって思って。」
「そうですね。」
「敵を倒すには、知るのが一番早ぇからな。」

笑顔で決意を語る私に、ライナーとベルトルトも頷いていた。
兵士はみんな、同じ目標に向かって命をかけて戦っている。
だからこそ、絆はあっという間に強くなり、それが死への恐怖さえも乗り越えるほどの強さになるのだと思う。
兵士に大切なのはきっと、信頼関係だ。

「それで、新しい情報は出たのか?」
「ううん、まだ反復実験までしか終わってないの。
 だから、みんなが知ってることしか分かってないよ。」
「新しい実験はいつ開始するんだ?」
「どうなんだろうね~。ソニーとビーンが、あ、巨人の名前なんだけどね。
 その巨人に休憩も必要だからって、今は実験は休止中で、
 代わりに、1日中、ハンジさんが観察してるよ。」
「観察って何してるんですか?」
「ソニーとビーンの前に座って、話しかけたり
 眠たそうにするタイミングとか、本当に食事が必要ないのかとか見てるみたい。」
「観察か。」

ライナーとベルトルトが目配せしていることに、私は気づくことが出来なかった。
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