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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第48章 ◇第四十七話◇自由な兵士【恋の行方編】


「ちょうどよかった。君に確認したいことがあったんだ。」

書類から顔を上げて、エルヴィンがそう言えば、書類の提出が終わり、ホッとしていたは不安そうに眉を僅かに下げた。

「君の親友、ルル・クレーデルを殺したのは誰だ?」

エルヴィンの質問に、は一瞬、怯えるように瞳を揺らした。

「な…!エルヴィン、どうして今そんなことをー。」
「聞かせてくれ。誰が殺したと思っている?」

止めようとしたハンジに無駄だと言うように、エルヴィンは質問を重ねる。
両の拳を握りしめたが、何かを発しようと息を吸ったのが分かった。

「私は…、」

勇気を出して声を出したのだろう。
だが、その続きを言うのをは躊躇った。
答えが見つからないのか、それとも、その答えを口にするのが、怖いのかー。

「リヴァイか?」
「違います!!リヴァイ兵長は、何も悪くありませんっ!!
 リヴァイ兵長は、私だけじゃなくて、ルルも助けてくれました!!」

あれだけ答えを言うのに躊躇ったが、声を荒げた。
きっとそれだけは、彼女の中で、絶対の答えだったのだろう。
リヴァイが、ルルもの心も、殺したのは自分だと苦しんでいたとき、きっと誰よりもが、それだけは違うと知っていた。
人の心が見えたなら、どんなにいいだろうー。
ふとそんなことを思ったエルヴィンだったが、心の中で嘲笑する。
それは、やリヴァイのようなくすみのない人間の場合だけだ。
この世界に生きるほとんどの人間の心は、どこかしら汚れている。
そして、そんな汚れた心が見えてしまったら、世界は壊れる。
それこそ、リヴァイが掃除掃除と騒いで五月蠅いだろう。

「では、君か?リヴァイやハンジから、君の立体起動装置の故障については聞いている。
 君が無理して巨人を討伐することもせず、立体起動装置がきちんと動けば、
 ルルは死なずに済んだと思うか?」
「私は、あのとき…っ。」
「もういいだろ、エルヴィン。その話は終わったんだ。
 せっかくはこれから頑張ろうってー。」
「私は、もう死ぬほど自分を恨みました!」

話題を変えようとしたハンジを止めたのは、今度はだった。
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