【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第48章 ◇第四十七話◇自由な兵士【恋の行方編】
ゾクりとするほどに、力強い眼差しー。
エルヴィンはこの眼差しに見覚えがある。
一瞬、ルルが乗り移ったのかと思ったが、そうではない。
これが、ハンジやリヴァイ、ルルがの中に見た希望の光かー。
「自分の弱さ、情けなさ、脆さはもう死ぬほど恨みました。
そして、ルルが私を救ってくれた。だから、私はもうこれ以上、自分を殺さない。
ルルを殺した何かがこの世にあるのなら…、それは、この世界です!」
「ほう。」
エルヴィンにとって、それは意外な答えだった。
巨人だと言えば合格、そう思っていたのだが、まさか世界と答えるとは。
間違っているとは思えないし、むしろ正解なのかもしれない。
なかなか面白い。
「以前、私は君に訊ねたね。どんな兵士になりたいと思っているか。
そして君は答えた。誰も死なせない兵士になりたい、と。
今もその気持ちは変わらないか?」
思わず、気になって訊ねてしまった。
どうやら、この答えは自分の中で出してから、調査兵団に戻っていたらしい。
は、怯むことなくハッキリと答えた。
「いえ、誰も死なせない兵士は、残念ながら死にました。」
「え!?そうだったの!?
安心したけど…、残念だな。」
ハンジが頭をかく。
複雑なその胸中は分からなくもない。
途方もない目標だが、そんな兵士を目指す人間がいるのも面白いと思っていたのも、また事実だ。
「では、今の君に訊ねよう。
どんな兵士になりたいと思っている?」
エルヴィンは、顔の前で組んだ両手の裏で口の端を上げた。
こんなにも答えを聞くのが、ワクワクするのは久しぶりかもしれない。
「自由な兵士になりたいです。」
「自由な…。」
それこそ、思いも寄らない答えだった。
だって、調査兵団の兵士達は、自由になりたくて壁外に出ているのだ。
そこで、自由な兵士になりたいなんて、面白いことを言ってくれる。
そもそも、はー。