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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第6章 ◇第五話◇悪魔の提案【調査兵団入団編】


調査兵団を名乗った兵士達は、大切な話があるからここではないどこかに場所を移したいと言ってきた。
その大切な話が、私にとって都合のいい話でないことは、彼らの表情を見れば明らかだった。
それに、兵士に関わっていいことなんて無いとあの駐屯兵に教えられたのだ。
もう二度と、兵士になんかついていくもんか―。

「私には話なんてありません。」
「そう言わずにさ~。ね?ちょっとだけ?
 君にとってもいい話だから。」

メガネをかけた兵士は、さっきからそればかりだ。
必死に私をどこか良からぬところへ連れて行こうとしている。
でも、わざわざ調査兵団の団長と人類最強の兵士と呼ばれるリヴァイ兵士長まで引き連れてきている時点で、私には想像もできないような何かを話すつもりでいることは想像するに容易い。
しかも、難しい顔をしている調査兵団の団長と巨人よりも恐ろしい睨みを効かせている最強の兵士から察するに、“君にとってもいい話”ではないことは明らかだった。

「どうしたの?あら、お客さん?」

なかなか部屋に戻らない私を心配した母親が玄関を開けた。
そして、一緒にいるのが調査兵団の兵士だと気づいて驚いた顔をした。

「さんのお母様ですね!実は、今回の巨人襲来の件でアンケートに来たんです!」
「アンケート、ですか?」
「はい!我々、調査兵団の今後に関わるアンケートを
 ランダムに選ばれた民間人の方にお願いしていて、さんが選ばれたんです。」
「そうだったんですか。では、中にどうぞ、お入りください。」
「お気を遣って頂き、ありがとうございます。
 ですが、このアンケートは内密しなければならないものですので
 私達が用意した場所でお願いしているんです。」
「まぁ、そんなに大切なアンケートをうちの娘なんかにして大丈夫なんですか?」
「えぇ、もちろん!娘さんではなければいけないんです!
 必ず無事に送り届けますので、少しだけ娘さんのお時間を頂けますか?」
「それはもう、どうぞ。兵士さんのお役に立つのも私達の義務ですからね。」
「そう言って頂けると有難いです。」

メガネの兵士が嬉しそうに私にウィンクをした。
また兵士が民間人を自分のペースに巻き込んだ―。
だから、兵士なんか嫌いなんだ。


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