【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第5章 ◇第四話◇指輪【調査兵団入団編】
「またすぐに必ず会いに来るからね。」
玄関で私を抱きしめたルーカスは、名残惜しそうに頬を撫でた。
今回のトロスト区への巨人襲来は、ルーカスが暮らす内地でも大問題になっている。
おそらく、貴族の彼のもとへは、庶民の私には想像できないような問題が降りかかっているのだろう。
「無理しなくていいのよ。落ち着いてからでも…。」
「僕が会いたいんだよ。だから、気にしないで。ね?」
私が気を遣わないようにそう言って、ルーカスは私の唇に自分の唇を重ねた。
こんなスマートな仕草だって、貴族出身でスタイル抜群で容姿端麗のルーカスだから余計に素敵に見える。
この相手が私みたいな庶民じゃなければ、もっと絵になるんだろう。
「じゃあ、またね。」
ルーカスは、もう一度、名残惜しそうに頬を撫でると、背を向けて家の外に待たせていた馬車へと向かう。
そんなルーカスとすれ違うように数名の兵士がこちらに向かって歩いてきてるのが見えた。
彼らはチラリとルーカスの方を見たが、すぐに向き直ると、やはりこちらに向かって歩いてくる。
ーとても、嫌な予感がした。