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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第40章 ◇第三十九話◇会いたい…【調査兵団入団編】


「心が、折れそうだった…。」

ハンジの胸に顔を乗せ、が言葉を零す。

「気づいてた…。エルヴィン団長の言う通り。
 どんなに訓練したって、走ったって、飛んだって、
 どんなに必死に伸ばしたって、私の手はみんなを掴めるわけじゃない…。」

ハンジは、の頭を優しく撫でながら話を聞いた。
少しずつ、心の声を話し出してくれたにハンジは安堵していたが、向かい合って座るリヴァイは、痛々しいを見ていられないのか、腰を上げて窓際に立った。
閉め切ったカーテンから僅かに漏れる光が、リヴァイの横顔を影で隠す。

「そしたら、ルルが、2人でなればいいって。」
「2人で?」
「1人じゃ無理なら、2人で一緒に誰も死なせない兵士になろう。
 私達は、2人でひとつだから…って。」
「そうだね…。君たちはいつも一緒にいたからね。」
「悲しいときは一緒に背負うよって…。
 だから、泣きたいときは、泣いてもいいよって。
 一緒に泣いてあげるからって…。」
「ルルは、優しい子だからね。そして、強い子だ。
 君の悲しみを背負うくらいどうってことなかったんだと思うよ。」
「でも…、もういない…。どこを探しても…、いないんです…。
 私は…、どうやって悲しめば…、どうやって泣けば…いいんですか?」

がハンジの顔を見上げる。
酷く傷ついた顔をしている。
ようやく色を戻した瞳は、今にも泣きだしてしまいそうなのに、そこには一粒の涙すら浮かんでいない。

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