【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第38章 ◇第三十七話◇親友を亡くす地獄【調査兵団入団編】
犠牲になった調査兵達の弔い式の準備は、104期の新兵達が引き受けた。
言い出したのが誰だったのかは覚えていない。
アルミンだったような気もするし、ライナーだった気もする。
それとも、みんなでエルヴィン団長にお願いしに行ったんだっけ。
ただ分かるのは、みんなが同じ気持ちだったことだ。
一緒には戦えなかったから、せめて、もう二度と戦わなくていい場所へと送り出すための準備くらいはさせてほしい。
「さんを守るためにルルさん…、
とてもカッコいいですね!」
無理して作った笑顔で、サシャはルルの功績を称える。
そうでもしないとやっていられない彼女の気持ちが痛いほどに分かって、クリスタは頷くだけで精一杯だった。
リヴァイ班と訓練を共にしていたルルとの技術が、他の兵士よりも抜きんでていることは、兵団内でも周知の事実であった。
それに対して、悔しさや嫉妬をにじませる兵士がいたのも確かだったけれど、誰もが彼女達の実力を認めていたのもまた事実だ。
だから、今回の壁外調査でのルルの死は、兵士達にとっても衝撃だったようで、彼女の最後の勇士はあっという間に兵団内に広まり、新兵の耳にも届いていた。
「でも、さんが心配だよ…。
きっと自分を責めてる。」
アルミンが目を伏せる。
普段、エレンと行動を共にすることの多いを目の敵にしているミカサでさえも、彼女のことを心配しているようだった。
「自分の代わりに親友が死ぬって、どういう気分なんだろうな。」
「決まってんだろ、地獄だよ。」
言い切るジャンに、コニーは「あ…。」と目を伏せた。
ジャンもまた、親友であるマルコをトロスト区への巨人襲来の日に亡くしている。
その状況は異なるし、彼が経験した地獄との地獄は、同じものではないのだろう。
でも、悲しみの中で抗うしかないという点では、きっと同じ。
ジャンはその悲しみを糧に、調査兵団の兵士として歩き出すことを決めた。
は、どうするのだろうー。