【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第38章 ◇第三十七話◇親友を亡くす地獄【調査兵団入団編】
(まさか…。調査兵団をやめるって言わないよね…。)
不意に頭に浮かんだ想像に、クリスタは不安になった。
調査兵団を続けるか否かは、次第だ。
実際、壁外調査を終えてから兵団組織を去る者、他の兵団への編入を決める者が少なからずいることは確かだ。
でもー。
「さっき、分隊長達が話してるのを聞いたんだが、
がハンジ分隊長に辞意を伝えたらしい。」
さっきから姿を見なかったユミルが、駆け寄ってくるなり話しかけてきた。
みんな忙しく弔い式の準備をしていたのに、一体今までどこに行ってー。
「え?今なんて言った、ユミル?」
「は調査兵団を辞めることを決めたって言ったんだよ。」
「そんなっ!!だって、ルルさんはさんならきっとって、
人類の希望を託して…っ!そして、死んだのに!!」
「知るかよ。もう耐えられなくなったんだろ。
去るのは弔い式の翌日だろうな。ルル達を見送ってでていくつもりだ。」
「そんな…っ。」
は、調査兵団に入団してすぐに壁外任務に出るほどの実力を持っていて、責任感もある人だ。
少なくとも、クリスタは彼女のことをそう思っていた。
ルルの死を無駄死にする人ではないとそう信じていたのにー。
それなのにー。
「を責めてやるな。」
「ライナー。」
いつの間にか隣に立っていたのは、ライナーだった。
どこか遠い目で、彼は私でもなくでもなく、他の誰かを見ているようだった。
「誰よりも自分を責めてるのは、本人だろうからね。」
心配そうに言って、ベルトルトはライナーを見た。
ライナーは、悔しそうに唇を噛み俯く。
「どっちにしろ、さんを責めてもいいのは、
エルヴィン団長でもハンジ分隊長でも、ましてやおれ達でもない。
ールルさんだけだ。」
ジャンの言葉がその通り過ぎて、クリスタは胸が潰れそうだった。