【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第38章 ◇第三十七話◇親友を亡くす地獄【調査兵団入団編】
「…貸せっ!」
クリスタから力尽くでルルの亡骸を奪い取ったユミルは、荒々しい言動とは裏腹に、そっと荷馬車にその身体を置いた。
今回の被害について問い詰めるカラネス区の住人達に、エルヴィン団長が堂々と答えた。
想定よりも少ない犠牲で済んだ、作戦も成功したーと。
自分の身体を半分失った女兵士のことを想い、クリスタは天を仰ぐ。
降り出した雨は、泣いてる人も笑っている人も、平等に濡らしていく。
まるで、彼女達の涙のような悲しい雨は、その日ずっと降り続けた。