【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第35章 ◇第三十四話◇友人達の強さ【調査兵団入団編】
それでも、私は目の前の命を諦めたくない。
だから、今回のことでハンジさんやリヴァイ兵長だけではなく、エルヴィン団長にも実力を認められたルルが一緒にいれば、私にとってはとても力強いだろう。
でも、エルヴィン団長も言っていた通り、調査兵団にとってルルは若い希望であって、私のワガママでそんな大切な命を奪うことはできない。
それでも、ルルは私の手を握った。
「誰かを助けられない度に、は星を見てるよね。
昨日も、どこかで星を見てたんでしょ。」
「…知ってたの?」
「知ってるよ、それくらい。
は悪くないって言ってあげたかったけど、
きっとそういうことじゃないから、私は何も言えなかった。ごめんね。」
「…ううん、ありがとう。」
「だから、みんなが私達のことをコンビって呼んでるのを知って、思ったの。
2人で1つになればいいんだって。
だからね、。」
ルルはそう言って、私の頭を優しく撫でる。
「悲しいことがあったら、私も一緒に背負うから。
我慢しないで。1人で背負わないで。泣きたいときは、泣いていいんだよ。
私がいつも、一緒にいるからね。」
頭を撫でながらルルは、私に微笑んだ。
彼女の微笑みに、私の中にあった張りつめていたものが、優しく溶かされていく。
無理をしているつもりはなかった。
自分で決めて、自分でやりたいようにやらせてもらっていたから。
でも、うん、でもきっと、兵士はみんな無理をしている。
だからー。
「そうだね、一緒なら、きっとなんだって乗り越えられる。」
「うん、そうだよ。」
ルルが微笑む。
それは、私が生まれてきてから見てきた中で、最も優しい表情のひとつで。
これから、私が一生忘れることのできないものになった。
誰かの願いのために命を懸けるのがどれほどの覚悟が必要だったのかなんて、気づきもしないで。
その笑みに未来の自分が何度救われるかも知らないで。
私はその日、無邪気に笑ったんだ。