【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第35章 ◇第三十四話◇友人達の強さ【調査兵団入団編】
初日の巨人捕獲作戦は大成功だった。
リヴァイ兵長が誘導対象以外の巨人を半分以上討伐してくれたおかげで、私も思ったよりも危険は少なく任務を遂行出来たと思う。
荷馬車の上に拘束した4m級の巨人は、旧大聖堂のすぐ裏にある小さな森の入口に置かれている。
万が一、拘束がとれてしまったときの保険のためだ。きっと、そこも考慮に入れて、すぐ裏に森のあるこの旧大聖堂が拠点に選ばれたのだろう。
帰ってからずっと、ハンジさんは森の入口に留まって、ずーっと巨人に話しかけているらしい。
一応、ハンジさんの分隊に所属している数名の調査兵が見張りとしてついているのだけれど、本人がどうしても巨人から離れたくないと動いてくれないらしい。
モブリットさんが時々戻ってきては、エルヴィン団長への報告も兼ねて愚痴ってまた森に戻っていく。
不憫で仕方がない。
「今日は大活躍だったね。」
見張りの順番が回ってきた私は、ルルと一緒に大聖堂の屋根の上に来ていた。
今回の巨人捕獲作戦での一番の功労者は、全員一致でルルだ。
俊敏な動き、状況の把握能力、そのすべてがハンジさんを見ているみたいだと思ったのは、きっと私だけじゃないはずだ。
リヴァイ兵長の訓練のおかげだと本人は言っていたけれど、彼女の才能と努力の賜物以外のなにものでもないことを、私たちはみんな知っている。
ハンジさんが、ルルは訓練兵時代もギリギリ10番以内には入らなかっただけで、とても優秀な成績だったと言っていたから、元々の兵士としての才能もあったのだろう。
私も、頑張らないとー!
「ねぇ、みんなが私達のこと何て言ってるか、知ってる?」
「え?なになに?知らない!」
ルルが、素敵な宝箱を隠し持っているような顔で言うから、私もワクワクしてしまう。
「最恐コンビだって。」
「さい、きょう…?最高の美人コンビじゃなくて!?」
「そう、美人じゃなくて!」
「えーっ。」
ショックだ!なんて顔をしたけれど、本当はすごく嬉しかった。