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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第4章 ◇第三話◇存在しない兵士【調査兵団入団編】


おかしいー。
悪夢の再来から3日が経とうとしているその日、ハンジは自分の執務室にいた。
デスクの上には、駐屯兵団に所属する兵士名簿が並べられている。
このすべてに目を通したが、トロスト区内の巨人掃討作戦で見たあの駐屯兵は見つからなかった。
念のため、現在は除隊している兵士の名簿もモブリットに持ってきてもらったが、そこにも彼女はいなかった。
過去と現在に関わらずすべての駐屯兵の名簿が欲しいとモブリットには伝えた。仕事に抜かりのない彼のことだから、ここにある名簿がすべてなのだろう。
もしかして、駐屯兵ではなかったのだろうか。
悪いが、若い憲兵が巨人を討伐できるとは思えない。
それなら調査兵団の中に彼女はいるのか。
いや、それはない。
調査兵団の兵士なら全員把握している。彼女はいない。
それに、彼女は駐屯兵団の制服を身に纏っていたじゃないか。
きっと、駐屯兵に違いないのだ。
では、なぜ彼女が駐屯兵の名簿に載っていないのだろう。
まるで、あの兵士は元から存在などしていなかったみたいじゃないか―。

「まさか…。」

ありえない想像が頭に浮かび、ハンジは自分の口を手で覆う。
作戦中に自分がふと考えてしまったあの想像。
だが、まさか、そんなことがどうしてありえるのか。
でも、本当にありえないのだろうか。
だって、エレン・イェーガーの存在が、ありえないことなどありえないと証明しているではないか。
巨人化出来る人間がいるのなら、兵士に紛れ込んで巨人を討伐できる民間人くらいいてもおかしくないのではないかという気もしてくる。
そもそも、調査兵団の誇る兵士長であるリヴァイだって、元々は都市の地下街のゴロツキだったのだから―。
ハンジが考えあぐねていると、部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。
モブリットに頼んだ要件の答えが出たようだ。

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