【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第4章 ◇第三話◇存在しない兵士【調査兵団入団編】
「まさかね。」
巨人の弱点や戦い方、果ては立体起動装置や超硬質スチールの使い方、特性を理解していない兵士なんて存在するわけがない。
ふと頭に浮かんできたありえない想像に思わず苦笑して、ハンジはまた1体の巨人を討伐する。
討伐補佐をしてくれたモブリットが、すぐに隣に並ぶ。
「後でちょっと話してみたいな~。」
「まさか、調査兵団に誘うつもりじゃないですよね。」
「エヘヘ。」
「彼女が調査兵団に入ったらすぐに死んでしまいます。」
「そこは君がうまく教育してあげてくれるだろう?」
「もう勘弁してくださいよ。そうじゃなくても、あなたのせいで仕事が溜まってー」
「アハハハ~。」
笑いながら、ハンジはアンカーを遠くへ飛ばして巨人の討伐へ向かう。
正しくは、今から自分に説教を始めかねないモブリットから逃げたのだけれど。
後ろから、モブリットの悲痛な怒りが聞こえてきて、ハンジはやっぱり笑った。