• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第32章 ◇第三十一話◇壁外調査初日の洗礼【調査兵団入団編】


カラネス区の外門前に、整然と並ぶ調査兵団の馬と兵士達。
この壁の向こうは巨人の住む世界。
恐ろしい世界へと飛び立とうとする調査兵達のために、たった今この時、援護班達が外門付近の巨人を討伐、もしくは遠ざけてくれている。
今回の壁外調査への参加が中止された新兵達は、トロスト区で待機命令が出ている。
数名の先輩兵士が残り、彼らに特訓等を教えることになっている。
調査兵団の隊列の先頭に陣取るのは、団長のエルヴィン・スミス。その後ろに分隊の隊長達が続く。
私はハンジさんとリヴァイ兵長の後ろにいた。
壁外任務に向かうときは、壁の上から降りていたからあまり感じなかったが、この扉の内と外では全く違う世界なのだと改めて実感した。
この扉を開いたら、もうそこは地獄なのだと、お前は今から走って死に向かうだけだと、この緊迫した空気が脅してくるようだった。

「どうしたの、?顔色が真っ青だよ?」
「クソでも我慢してんのか。」

ハンジさんとリヴァイ兵長が後ろを振り向き訊ねてくる。
私はむしろ、2人に問いたい。
なぜ、いつも通りの顔をしていられるのか。

「今朝、巨人に食べられる夢を見たそうです。」

私の隣に並ぶルルが言った。

「違う!食べられてないから!食べられそうになっただけ!
 縁起の悪いこと言わないでよっ!」
「はいはい、私に叩き起こされて食べられずに済んだんだったね。」

ルルは、必死に否定する私を適当に受け流し、しかも、寝坊したことまでバラす。
リヴァイ兵長の目がギロッと光ったじゃないか。
今日は嫌な予感がする。
帰った方がいい気がする。
やめよう、壁外調査はやめよう。いい夢を見た日にしよう。

「昨日は心ここにあらずって感じだったんですけどね。
 今朝、怖い夢を見てようやく現実に気づいたらしいです。」
「現実?」
「自分は巨人よりも背が小さすぎる。」
「アハハ、確かにそうだ。」

ハンジさんが可笑しそう笑った。
笑えるあなたが羨ましい。
帰りたい。
よく考えてみたらわかるだろう。身長差をー!

/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp