【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第30章 ◇第二十九話◇相応しいパートナー【調査兵団入団編】
ペトラが部屋を訪れたのは、壁外調査の2日前だった。
外で話したいというペトラと訓練場近くにやってきて、ベンチに並んで座る。
あれから、ペトラは普通に声をかけてくれた。
少なくとも、私以外のみんなには、そう見えたようだった。
エルド達も仲直りしたと安心していたようだったから、私とペトラの間に出来てしまった壁に気づかなかったのだろう。
「明後日はいよいよ壁外調査だね。緊張してる?」
最初に口を開いたのは、ペトラだった。
「んー…、緊張してるのか分かんないくらい、
まだ自分の状況が呑み込めてないかな。」
私は、正直に今の気持ちを言葉にした。
壁外任務に出たことがあると言っても、それは壁のすぐそばで逃げ場ならたくさんあったし、ペトラらリヴァイ班やハンジ班が常に私のことを気に掛けてくれていた。
保証された安全はなかったかもしれないが、そこには確かに安全があったと思うし、私も、彼らがいるなら大丈夫だという安心感があった。
でも、今度の壁外調査はそうはいかない。自分の身は自分で守らないといけない場面なんて、たくさんあるだろう。
だから、ちゃんとやれるのか、生きて帰られるのか不安で緊張してるかと言えば、調査兵団に来てからいろんなことがありすぎて、頭がそこまでの思考に追いつけていない。
「私は緊張して眠れなかったけど、の状況ならそうなのかもね。」
それから、ペトラは自分の初めての壁外調査のときのことを話しだした。
訓練兵時代を経て調査兵団を選んだ理由、初めての班やその時の仲間、掴んだ仲間との絆、失った仲間―。
「脅すわけじゃないけど、壁外に出る限り、次の日も命があるとは限らない。」
「うん。」
「だから、今思ってることはちゃんと言わないといけないと思って。
この前、ヒドイこと言ったのは、謝る。ごめん。
でも、私はに負けたくないと思ってる。」
ペトラは意を決したようにそう言うと、まずは先日のことについて謝った。
そして、挑戦的な目で私を見た。