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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第30章 ◇第二十九話◇相応しいパートナー【調査兵団入団編】


ペトラの今のセリフは、聞き覚えがあった。
前に、似たようなことを言われたことがある。
悪い噂が流れていた頃だ。
敵意だけで出来た言葉をぶつけられて、傷つけられた私を助けてくれたのが、ペトラだった。
そんな優しいペトラに、私はあのときの彼女達と同じセリフを言わせたのかー。

「私、エルヴィン団長にお願いしてくる。」
「え?」
「もっと相応しい配置があるもの。
 私にはこの任務は荷が重すぎる。」
「ダメだ。」

立ち上がった私の腕を、グンタが掴んだ。
驚いて彼の顔を見た。
怒っているのかと思ったが違った。
真剣な目は、任務を遂行しているときのまっすぐなグンタの目だ。
エルドも同じような顔をしている。

「どうして?」
「ハンジ分隊長もエルヴィン団長も、好き嫌いで配置を決めるような人じゃない。」
「でも、今回の私の配置はおかしー。」
「おかしくない!」

エルドが大声を出して、ビックリした。
いつも、冷静な人だから。

「悪い。おれ達は嫉妬してた。
 でも、それはがリヴァイ兵長のパートナーに選ばれたからじゃない。」
「おれ達も気づいてたからだ。が…、一番その役に相応しいと。」
「そんなっ!そんなことー。」
「あるんだよ。あんまり言わせんなよ。
 一応、おれ達のそれなりにあるプライドも傷ついてるんだぜ?」

グンタは、困ったように眉尻を下げた。
唇を噛むエルドは、すごく悔しそうでー。

(私が…、相応しい?まさか、そんなこと。)

今回の私の任務配置は、無謀だと思っていた。
みんな、そう思っていると感じていたし、リヴァイ兵長だってそんな風に言っていた。
でも、なんで、エルドとグンタは、まるで私に負けたみたいな顔をしているのかー。

「ペトラのこと許してやってくれよ。」
「え?」
「人一倍、リヴァイ兵長に憧れてたからさ。
 悔しかったんだと思うよ。友人なら尚更さ。」
「アイツもちゃんと分かってる。
 お前が、実力で選ばれたんだってこと。」

エルドとグンタはそう言って、私の髪をクシャリと撫でると、ペトラの様子を見てくると行ってしまった。
2人が触れて乱れた髪を触る。
絡まった髪が指にひっかかって痛くて、胸が苦しくなった。
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