【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第30章 ◇第二十九話◇相応しいパートナー【調査兵団入団編】
(…ハンジさん、あなた一体、私に何をよろしくしたの…。)
マズい。聞いていなかった。
でも、マズいことをよろしくされたのは雰囲気で分かった。
どうしよう。
何を頼まれたのか分からないから、はいとも言えないし、今さら、話を聞いていなかったとも言えないー。
いろいろと、マズい。
「チッ。」
リヴァイ兵長に舌打ちをされて、本当に終わったーと思った。
「おれは反対だ。」
リヴァイ兵長はそう言って、書類をテーブルの上に投げて置いた。
「どうして?の実力なら、リヴァイもよく知ってるだろう?
この子なら絶対にリヴァイと一緒に、エレンに寄ってくる巨人を討伐できるよ。」
「え?!」
私の肩に手を回し、ハンジさんは自信満々に宣言した。
今、何を言われたか。
ミケ分隊長達が不安そうに私を見ている理由とか、なんとなく、状況を理解してきた気がする。
私は慌てて書類のページをめくり始める。
「あぁ、そうだ。は自分に寄ってくる巨人なら討伐出来るだろう。
だが、壁外では想定外が起きる。経験が足りねぇ。」
「最初は誰だって経験はないものだろ?
何より、エレンに巨人捕獲に集中してもらうためには
絶対に巨人をエレンに近づけたくないんだ。」
「それなら、ペトラでもオルオでも他に的確な配置のやつがいるだろ。
は、何より体力がねぇ。
エレンが巨人を捕獲できるまで、の体力が持つとは思えねぇな。」
「それは、すぐにエレンが巨人を捕獲できれば大丈夫だろう?
そうなるように、私たちがしっかりサポートするさ。」
「トロスト区で巨人化したエレンが大岩で穴を塞ぐ間、
巨人が寄って行ったと報告があったんだよな、エルヴィン。」
「あぁ、そうだ。駐屯兵には目もくれずに
巨人化したエレンに多数の巨人が引き寄せられたそうだ。」
「その巨人を倒すのに駐屯兵は何人死んだ。」
「ミカサとアルミン、駐屯兵の精鋭班を数名残し、
ほとんど全員が勇敢な死を迎えたとリコ・ブレツェンスカから報告を受けている。」
「だそうだ。お前は、にもその勇敢な死ってのを迎えさせる気か。」
「そうじゃないよ。そこは私達もサポートするしー。」
書類のページを必死にめくる私の頭上で、聞くのも恐ろしい意見交換が行われている。