【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第30章 ◇第二十九話◇相応しいパートナー【調査兵団入団編】
中央に座るのは、調査兵団の団長エルヴィン・スミス。その脇を固めるのは、リヴァイ兵長と我らが分隊長のハンジ・ゾエ。そこから、ハンジさんの隣に座る私を除き、ミケ分隊長ら分隊の隊長達がズラーッと並んで座る。
ミケ分隊長の両脇には、ナナバさんとゲルガーさんもいる。
こうして眺めてみていると、圧巻だ。
彼らが、調査兵団という組織を育て、守り続けた人達なのか。
(真面目に会議に参加するんだな。)
意外だったのは、リヴァイ兵長だった。
ペトラが、リヴァイ兵長は地下都市出身で、若い頃は有名なゴロツキだったと言っていた。
座って書類を眺めて意見を交わし合う会議をしているイメージなんてなかったが、しっかりと参加している。
書類を眺めるために伏し目がちになる切れ長の目とか、書類を持つ細くて綺麗な手、横顔がすごく魅力的でー。
(別に、私が胸キュンしたわけじゃないのよ。)
小さく頭を振って、余計な思考を吹き飛ばす。
ただ、ペトラはこういう姿のリヴァイ兵長もきっと好きだろうなぁと思っただけだ。
あれから、リヴァイ班との訓練に合流し始めた私は、たぶん、訓練も終わらせた恋もちゃんとやれてると思う。
恋の応援をしたいと言ったものの、それは一体どうしたらいいのか分からず、2人でいるところをもう二度と邪魔しないようにするくらいしか出来ていないけれど。
頼まれていない恋の応援って、何をすればいいんだろう。
ハンジさんは知識が豊富だけど、きっとそういうことは疎そうだから相談できないし。
モブリットさんは、あまり役に立たなそうだ。
だって、ハンジさんに万年片想いってイメージだしー。
(あ。)
リヴァイ兵長と目が合った。
私の手元にある書類の方を見て、何かを訴えている。
首を傾げる私に、リヴァイ兵長の目つきが険しくなる。
マズい。怒っている。
意味が分からないまま、目で訴えられた通りに手元にある書類に視線を落とす。
今、どのページについて話してるんだっけ。
ページをめくっていると、背中に大きな衝撃を受けた。
「ということで、、よろしくねっ。」
突然、私の背中を叩いたハンジさんは、満足気にニシシと笑っている。
その隣で、モブリットさんが心配そうに私を見る。
いや、モブリットさんだけではない。
目が怒っているリヴァイ兵長を除いて、他のメンバーがみんな、不安そうに私を見ているではないか。