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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第28章 ◇第二十七話◇好きになってもいい人ですか?【調査兵団入団編】


気持ちのいい風を受けながら、私はルルに言われたことを思い出していた。
あの日のキッチンでのこと、確かめるチャンスはきっと今だ。
リヴァイ兵長と2人きりになる機会なんてなかなかないし、壁外調査から生きて帰れるとも限らない。
それならー。

「ストヘス区では、私の嘘に付き合ってくれて、ありがとうございました。」
「————あの後、ハンジから経緯は聞いた。
 おれは構わねぇが、お前はあれでいいのか。」
「いいんです。自分で決めたことだから。
 でも、そのせいでリヴァイ兵長に最低な嘘吐かせてしまうことになって、ごめんなさい。
 -恋人がいるのに。」

心臓が破裂しそうだった。
声が震えていた気がする。
謝罪とお礼を伝えてるフリして、私はただリヴァイ兵長の反応と答えが知りたいだけ。
本当に最低だけれど、これが、臆病な私の精一杯。
訝しげな顔で私を見たリヴァイ兵長は、思案するように視線を上げた後、口を開いた。

「何の話か知らねぇが、おれにそんなもんはいねぇ。」

リヴァイ兵長が言った言葉は、可能性はすごく低いけれどそうだったらいいな、と私が思っていた通りのそれだった。
私の勘違いじゃないか、と言っていたときのルルの顔が頭に浮かんだ。
あれは本当に私の勘違いだったんだろうか。
それとも、リヴァイ兵長は、ペトラとの秘密を守ろうとしているだけなのだろうか。

「前に談話室のキッチンで、その…。
 私がティーカップを落として割ったとき…。
 その、…見てしまったんです。」

何と言えばいいか分からず、口ごもりながらも、あの日の真相に少しでも近づきたくて勇気を出した。
あの日のキッチンでのことをリヴァイ兵長が覚えているのなら、これで伝わるはずだ。
でも―。

「見られちゃ困るようなもんはねぇと思うが。」
「…嘘です。」
「なんでお前にわざわざ嘘を吐く必要がある。」
「だって、私、見ました。
 リヴァイ兵長が、ペトラに、キ…、キスしようとしてるところをっ。」

リヴァイ兵長が平然と答えるから、思わず言ってしまった。
ハッキリと、あぁ、ハッキリと。
私は言葉をぶつけてしまった。
目を見開くリヴァイ兵長は、さすがに驚いたみたいで、数秒時が止まったように感じた。
でもすぐに、見開いた瞳はスッと細くなり、苛立ちを隠しもせずにリヴァイ兵長は、チッと舌打ちした。
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