• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第28章 ◇第二十七話◇好きになってもいい人ですか?【調査兵団入団編】


5年を経て再来した悪夢から、親友の死、なりゆきでの巨人討伐に調査兵団への勧誘。
そして、調査兵団に入団して、私は、命について考えることが増えた。
人類に心臓を捧げる覚悟を持っているのかと聞かれたら、自信がないどころか、私にはそんなつもりはないと思う。
でも、自分の置かれている立場や状況は理解しているから、人類に心臓を捧げたくなくとも、いつかそのために死ぬのだろうということは漠然と理解している。
それまでに私にできることは、エルヴィン団長の前で宣言したように、私のなりたい兵士として生を全うすること。
そう信じている。
なんて、昔の私が聞いたら「さすが兵士ね」なんて言うような大それた決意だけれど、そうでも思わないと、人類に心臓を捧げる勇敢な兵士になり損ねた私は巨人の前に立てない。それだけなのだ。

(あぁ、それから…。)

それから、私は恋をした。
混沌とした世界で、巨人との戦いを目の前にして、私は初めて、苦しいくらいに誰かを想う恋をした。
胸を焦がすーとはどういうことなのか、私は今、世界中の誰よりも知っていると言っても嘘にはならないんじゃないかってくらい。
私の胸は、ジリジリと熱く燃えて、焦げたところから火傷になって、痕になって消えなくて、ジリリジリリと痛みが疼く度に、私はあの人を想うのだ。
会いたいー。
自分で避けるような生活をしていながら、夜寝る前には思い出して恋しくなる矛盾だらけな毎日。
今、何してるんだろう―。
ふと気づくとそんなことを考えている。

「あ、」

妄想が生んだ幻かと思った。
黒い馬に乗ってこちらにやってきている小柄な調査兵は、リヴァイ兵長だった。
/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp