【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】
何かを考えているようだったし、まだ続くのかと思って待ってみたけれど、その続きが彼女の口から出ることはなかった。
「どうしたの?」
「ううん、なんでも。
とにかく、本当に2人は付き合ってるの?
写真を見ただけで、本人に聞いたわけじゃないんでしょ?」
「そうだけど…。でも、キスしようとしてたんだよ。
そんなこと、恋人同士じゃないと、しないでしょ?」
言わせないでよーと私はまた顔を枕で隠す。
談話室のキッチンに行くと必ずあの日の2人がフラッシュバックするから、あれから美味しい紅茶を作れてない。
「それがの見間違いってことはないの?」
「違う、と思う。」
「本当に?」
「…そんなに聞かれたら、自信がなくなるけど。」
あのキッチンでのことはあまり思い出したくない。
でも、私には2人がキスをしようとしているようにしか見えなかった。
私には、恋人同士にしか見えなかったのだ。
枕を抱きしめる腕に力が入る。
恋というのは、こんなに胸が痛いものだっただろうか。
もっと、ワクワクしていた気がするのに―。
「リヴァイ兵長のことを良く知ってるわけじゃないけど、
たぶん、あの人は、恋人がいるのに他の人の旦那さんのフリするような
そんな人じゃないと思うよ。」
「…私もそう思うよ。
でも、あのときは、母が傷つくと思って嘘をついてくれたんだと思う。」
「うーん。それもあるかもしれないけど…。
ねぇ、リヴァイ兵長はあの日のことを何か言ってこなかったの?」
「何かって?」
「例えば、本当にペトラと付き合ってるんだとして、
誰にも言わないでほしいってお願いしたりとか。」
「あ~…。」
リヴァイ兵長があの日のことを何か言いたげにしていたことを話した。
私が、聞こえないふりをしたり、誤魔化したりしたことも。
「やっぱり、ちゃんと聞いた方がいい。」
「え?」
「もしかしたら、誤解されてると思って弁解しようとしたのかもしれないでしょ?」
「すごく可能性低い…。」
「大丈夫!もし、リヴァイ兵長がを傷つけるようなことがあれば
私が、うなじを削いであげるから!」
「なにそれ。リヴァイ兵長は巨人じゃないよ。」
「チビだし?」
「それは言っちゃダメなやつ。」
2人で顔を見合わせて、お腹が痛くなるくらい笑った。