【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】
ストヘス区への出向から帰ってきてからも、私は長距離索敵陣形の授業やテスト、ルルは訓練で忙しく、あまり話す時間がなかったから、久しぶりの夜の日課の時間だった。
今夜はルルが作ってくれたコーヒーを飲みながら、昼間出会った可愛らしい恋人未満の2人とその仲間達の話で盛り上がっていた。
「アルミンが言ってたんだけど、訓練兵時代は対人格闘もするんだってね。
ルルもしてたの?」
「あ~、してはいたけど。
あんまり点数高くないし、真剣にしてる人は少なかったかな。」
「そうなんだ。」
訓練兵団にいたことのない私にとって、104期の彼らとの会話はとても新鮮だった。
兵団組織の知らないことを、同じ目線から教えてもらえたからこそよくわかったこともある。
それは、アルミンの説明がとても上手だったというのもあると思うけれど。
「私も対人格闘してみたいなぁ。」
「一度くらいはしてみるのもいいかもね。」
「憲兵に行った子で、対人格闘術がすごく得意な子がいるんだって。
その子に教えてもらえないかな~。」
話の内容は、今までの私の生活では絶対にありえないものだけれど、友人と過ごす何でもないこの時間の流れは兵士になる前と変わらない。
あちこち飛んでいく会話がただ楽しくて、あっという間に過ぎていく。
「それで、の気持ちは、まだちょっとだけってことでいいのかな?」
「それは…。」
あの日から、リヴァイ兵長には会っていない。
私が訓練ではなく、新兵と一緒に長距離索敵陣形の授業に参加するようになったからだ。
お互いに旧調査兵団本部にいるのだから、会おうと思えば会えるだろうし、そうは思わなくても食堂なんかで偶然顔を合わせることがあってもおかしくはない。
結局は、あの日から、私がずっとリヴァイ兵長を避けているのだ。