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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】


あれからずっと、彼はその思いをずっと胸に抱えていたのだろうか。
それはなんて、なんて苦しいことだろう。

「でも、そのおかげで、私の家族は今、生きてるよ。」
「え?」
「あのときの勇敢な兵士達にずっとお礼が言いたかった。
 アルミン、人類を救う作戦を立案してくれて、本当に、ありがとうございました。」

頭を下げる私に、アルミンは「いえ…。」と小さく首を振っただけだった。
私がどれだけ、エレンとアルミンに、ミカサに感謝しているのか。
きっと、こうして頭を下げるだけじゃ伝わらないと思う。
今もどれくらい伝わっているのかは、分からない。
あのときは、わけのわからない作戦に巻き込まれて頭にきたけれど、あの作戦があったから、今の私達がいる事実は変えようがないのだ。

「ミカサが言うほど、嫌な女じゃないですね~。」

ポニーテールの女の子がやってきて、私の顔を覗き込む。
坊主頭の小さな男の子も「そうだな!」と何だか嬉しそうだ。
嫌な女―とは何だろう。
しかも、ミカサにそう言われていたらしく、ショックが大きすぎる。

「リヴァイ班じゃないのにエレンの巨人化実験にずっと付き添ってる女兵士がいると
 ネス班長から聞いていたんです。 
 それからずっとミカサが怒っていて…。」

金髪のとても可愛い女の子が教えてくれた。
その隣に立つそばかすの切れ長の目の女の子は、私を見てからかうような笑みを浮かべている。

「あ~…、あっ!エレンの恋人なのね。」

ミカサから敵視されている理由を理解して、安心したというよりも、胸の奥が温かくなった。
巨人化出来るエレンのことを悪く思っている人間は、残念ながら調査兵の中にもいるのを知っている。
でも、104期のミカサ達は、エレンに対して友人という気持ちが変わらないどころか、離れている間にヤキモチを妬いてくれる美人な恋人までいたなんて。

「違う…!エレンは…、家族です。」

否定をしているミカサの頬が赤く染まっていて、とても可愛らしい。
初々しい恋をしている彼女が羨ましい。
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