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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】


いきなり声をかける私に、ミカサだけではなく、一緒にいる金髪の可愛らしい男の子にも訝しげな顔をされた。

「私はそんなこと思ったことありません。」

ピシャリと言い切り、ミカサは私から手元のノートへと視線を戻す。
完全に拒絶されてしまった。
金髪の男の子は困った顔で、オロオロとし始めていまい、なんだかとても申し訳ない。

「リーブス商会に殺されそうになってる民間人を助けたでしょう?」

私がそう言うと、綺麗な眉がピクリと動いた。
こちらを向いたミカサは、やっぱり訝しげな顔をしているが、助けに行ったのは自分だということは認めてくれた。

「あそこに私もいたの。すごくかっこいいなって、感動したのよ。」
「当然のことをしただけです。」

ふいっと目を反らされてしまったけれど、その頬が僅かに染まっているのが分かった。
褒められているのに慣れていないのか、照れ屋なのか。
どちらにしろ、あのときの凛とした姿とは違う目の前の彼女が、とてつもなく可愛いのだけは分かる。
思わず抱きしめたら、やめてください、と氷のように冷たい声で言われてしまった。
悲しい。

「さんは、民間人から調査兵団に入って
 すでに壁外任務を受けてるすごい人だって聞いてます。
 トロスト区でも奪還作戦、掃討作戦で活躍したんですよね。」

ミカサからそっと離れた私に、金髪の男の子が話しかけてきた。
どうやら授業担当のネス班長が、新たに一緒に授業に加わる調査兵である私のことをミカサ達に紹介していたらしかった。

「あのときの私はただそこにいただけだったよ。
 えーっと、君の名前を聞いてもいいかな?」
「そうでしたね。紹介忘れてました。
 僕は104期南方訓練卒業生のアルミン・アルレルトです!」
「アルミン…、聞いたことがある気がする。」

どこで聞いたのだったか、考えていると馬っぽい顔の子がやってきて教えてくれて思い出した。
あのトロスト区奪還作戦を立案した訓練兵の名前、それがアルミン・アルレルトだった。
以前の歓迎会でピクシス司令が、すごく頭の切れる訓練兵がいると言っていた。

「僕なんかが余計なこと言うからたくさんの人が死んでしまって…。
 マルコも…。」
「そうだね。たくさん死んだね。」

私がそういうと、ミカサに怖い顔で睨まれた。
唇を噛んでうつむくアルミンは、自責の念に襲われているようだった。
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