【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第27章 ◇第二十六話◇104期の新兵達【調査兵団入団編】
長距離索敵陣形の授業を一緒に受けた104期訓練兵の新兵達は、なかなか個性的な兵士ばかりだった。
さすが、出会って初めての自己紹介で、一緒に巨人を駆逐してやりましょう!と目を爛々にしていた兵士の仲間なだけある。
私がそう言うと、馬っぽい男の子に、アイツと一緒にしないでくださいと心底嫌そうな顔をされたけれど。
とても似ていると思う。
先のトロスト区で巨人討伐の作戦に駆り出されたはずの彼らの目がどれも、死んでいなかったこととか―。
「ミカサにずっと会いたいと思ってたの。」
授業の休憩時間、私は少し離れた席に座っていたミカサの元へ向かった。
あの日から、トロスト区で自分達を助けてくれた訓練兵のことを忘れたことはなかった。
あの母娘も駐屯兵も、私が命を助けたと言うけれど、本当は違うと思っている。
助けたのは彼女だ。私が、彼女の姿を見ることがなければ、私もまた巨人に食われるだけだったからだ。
同じ104期の訓練兵ならエレンも知っているかもしれないと思って聞いてみると、あのとき、駐屯兵の精鋭と一緒に民間の救助を行っていた訓練兵は、ミカサ・アッカーマンしかいないと言われた。
そして、彼女は、先日の新兵勧誘式で調査兵団に入ったこともエレンから聞いて知っていた。
今日、新兵との初めての授業で、彼女に会えることを楽しみにしていたのだ。