【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第168章 エピローグ
「なんだか、私達までドキドキしちゃいますね。」
「えぇ、本当に。」
の母親とクシェルが顔を見合わせて、困ったように笑う。
寂しくてたまらなそうな男性陣とは違って、どちらかというと、彼女達は安心の方が勝っているようだった。
「それにしても、可愛らしい家だなぁ。」
歩きながら後ろを振り返ったハンジは、小さな赤い屋根の家を見上げた。
のイメージには合うのだけれどー。
ここに殺し屋のような目をした男が住んでいるなんて誰も思わないはずだ。
「どうしても海が見えるところがいいって、2人で探して決めたんだっけ。」
「そうなんですか?」
「出逢いが海だったからなのかな?」
「そうかもな。」
ハンジ達の話が聞こえてきたのか、の母親が困った顔をして言った。
「たぶん、海が大好きなが、我儘を言ったんですよ。
昔から暇さえあれば海に行っては、いつかきっと運命の人が迎えに来るってそればかりだったもの。
このまま海と結婚するんじゃないかと心配してたくらいですよ。」
「まぁ…!同じね。リヴァイも昔から、何処へ行っても、まず最初に向かうのは海だったわ。
でも、海で遊ぶわけでも、地平線を眺めるわけでもなくて、ただ辺りを見渡すの。」
「分かります!!私達と仕事で世界中を飛び回ってるときも、
リヴァイはいつもそうだった!!」
ハンジが興奮気味に言う。
モブリット達にも心当たりがあった。
でも、そういえば、この前の出張の時は、リヴァイは海にすら行かず、への土産を真剣に探していたっけ。
「もしかしたら、2人は本当にお互いを探し合ってたのかもしれないわね。」
の母親は、感慨深げに呟くように言う。
いつまでも運命の人がどうだとか、騎士がどうだとか、夢見る少女のようなことを言っていたが、初めて家に連れてきたのがリヴァイだった。
そのとき、本当にとても不思議なのだけれど、この青年が娘の運命の人だと確信したのだ。
なぜか、初めて会ったはずなのに、どこかで逢ったことがあるような気もしてー。