【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第168章 エピローグ
ミカサとアルミンがソファに座ってお喋りを始めたところへ、ため息をつきながらルルがやって来た。
彼女に声をかけたのは、親友のヒルラだった。
「まだ吐いてんの?」
「本番の時間が近づけば近づくほど、緊張が止まらないらしいよ。」
「はぁ…。なんで、ミケさんは仲人やるなんて言っちゃったの?」
「本当に、どうして仲人を引き受けたんだろう、ミケさん…。
リコさんとイアンさんに任せておけばよかったのに…。」
「本番で吐いたりしたら最悪だよ。もうどうしても吐きそうなら
今のうちに胃液すらなくなるくらい吐かせときな。」
「鬼だね、ヒルラ。」
「親友の結婚式を自分の旦那がぶち壊す地獄を味わう方がいい?」
「…吐かせてくる。」
「いってらっしゃ~い。」
ため息をつきながらトイレへと戻って行くルルの背中に、ヒルラは軽く手を振る。
そこへ、さっきまでフロリアン達の黄色い声に甘い笑顔を振りまいていたルーカスがやって来ると、ヒルラの腰を抱き寄せた。
「まさか本当にあの男と結婚してしまうなんてね。
俺を選んでれば、将来安泰だったのに。」
「最高に顔がイイのに性格が悪すぎるからでしょ。
口説き落そうとして失敗した女の親友に寝返るとか最悪だからね。」
「じゃあ、その男のスペックが気に入ったからって
性格無視で、プロポーズ受けてしまう君も相当性格悪いね。」
「だから、いいのよ。私達、うまくいくと思わない?」
「そうだね。素の俺と同じレベルでいられる人間なんて初めてだよ。」
「褒め言葉として受け取っとくわ。」
お似合いの恋人達が唇を重ねようとしていたとき、この家で一番大きなソファに我が物顔で足を広げて座り、酒を煽っていたケニーが、大声でクシェルを呼んだ。