【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第168章 エピローグ
2人を招き入れると、エレンが感心したように口を開いた。
「お前、すっかり家族の一員だな。」
「本物の妹みたい。」
「それは最悪だね。」
アニは心底迷惑そうに言ったけれど、エレンとミカサはそれを本気には受け取らなかった。
一匹狼でいることの多いアニが、お揃いの赤いブレスレットを嬉しそうに見ているのを知らない友人なんて1人もいない。
リビングへ来ると、母親達がアニを呼んだ。
重たい荷物を一緒に運んでほしいらしく、アニはライナーとベルトルトを呼びつけてからキッチンへと戻って行く。
「エレン!ミカサ!待ってたよっ!」
キッチンへと戻ったアニと入れ替わりに、エレンとミカサを見つけたアルミンが駆け寄ってきた。
そのそばでは、柱に縛り付けられていたサシャをからかおうとした馬鹿なコニーが、指を噛まれて悲鳴を上げている。
そこへ、ミカサに気づいたジャンも声をかけてきた。
「よう、ミカサ!今日はあれだな、いつもと違ってなんつーか…うん、綺麗だ。
いや、いつも綺麗なんだけどよ。今日は特にって言うかさ。
そのワンピース、似合ってるぜ。」
「…そう。ありがとう。」
「いや、本当のことを言っただけでー。」
「なんだよ、ジャン。顔赤くして気持ち悪ぃな。」
「あぁん?なんだよ、エレン。お前も来てたのかよ。来なくてよかったのによ。」
「それはお前の方だろ?フラれた女の結婚式なんてよく来れたよな。
それでミカサに色目使ってんじゃねぇよ。」
「はぁ!?別にフラれてねーしっ!俺は、弟として招待されてんだよ!!
そもそもてめぇは、いつもいつもミカサの彼氏面すんじゃねぇーよ!!」
「してねぇーよ!!」
エレンとジャンは、また胸ぐらを掴み合って殴り合いのけんかを始める。
毎度毎度、飽きもせずによくやるものだ。
さすがのミカサも毎回過ぎて止めるのも無駄だと学んでいた。
好きにさせていればいつか疲れて勝手にやめるのだ。