【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第166章 ◇第百六十五話◇変わらない想い【運命の決戦編】
「このまま、ここで眠っちまおうかな。」
墓石に寄り掛かり、目を瞑った。
壁外調査の日程が決まってから、調査兵達は浮足立っているようだった。
初めて見る世界をとても楽しみにしているのが手に取るように分かった。
たぶん、自分だって、楽しみではないわけではないと思うのだ。
でも、彼らのように心から期待が出来ない。
このままここで、と一緒に眠ってしまいたい。
この目で本物の海は見れなくてもいいから、の夢の中に出てきた海というのを見たい。
だってそこでは、の手を握っていられるらしいからー。
『早く行こうよっ。』
聞き慣れた可愛らしい声に急かされるように、ジャケットの袖口が引っ張られる。
目を開ければ、が甘えるように自分を急かしている姿が見えたような気がした。
リヴァイは苦笑しながら、立ち上がる。
「そうだな。早く行こう。俺が連れてってやるって約束だもんな。」
海へと向かうため歩き出したリヴァイの背中を見送るように、墓石の前ではお揃いのティーカップが寄り添っていた。