【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第164章 ◇第百六十三話◇勝利の女神に敬礼を【運命の決戦編】
そこへ、ウォール・ローゼ側で獣の巨人と交戦していたエルヴィン達がやって来た。
エルドとオルオが、縄で拘束された2人の人間を抱えているのも見えた。
ライナーとベルトルトから、獣の巨人はジークという名の戦士長であり、リヴァイが相手ですらとても強い男なのだと聞いていた。
ずっと大きな音も聞こえていたから、とても心配していたのだが、彼らも勝利をしたようだ。
ホッと息を吐き、ハンジは大きく手を振った。
「おーいっ!おっつかれさーんっ!頑張ったみたいだねっ!
こっちは、ライナーとベルトルトが私達側についてくれて、ほぼ不戦勝だったよ~!
のお手柄だ!!帰ったら、何か褒美をやらなきゃな~!」
嬉しそうに声を張り上げたハンジの元へ、戦いを終えた兵士達が集まってくる。
でも、勝利したはずなのに、なぜかみんなどこか浮かない。
地下室に行くのを楽しみにしていたエルヴィンでさえも、とても傷ついた顔をしていた。
ハンジは、その後ろに隠れていたリヴァイを見つけた。
腕に横抱きにして抱えているのは、誰だろうー。
一瞬、誰だか分からなかったのは、きっと、髪型のせいだ。
綺麗な長い髪をどうしてしまったのか、リヴァイに抱きかかえられているは髪が短くなっていた。
「ねぇ、、寝てるの?せっかくいっぱい褒めてやろうと思ってたのになぁ。
が必死に伸ばした手をさ、ライナーとベルトルトが掴んでくれたんだ。
人類と一緒に生きる道を、となら探したいってさっ。」
ハンジは、リヴァイに笑顔を向けた。
でも、彼は、ただじっとの寝顔を見下ろしていた。
ペトラはただひたすら泣いていて、よく見てみれば、新兵達の目は真っ赤だ。
でも、ハンジは認めたくなかった。
なにがなんでも、認めたくはなかったー。