【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第163章 ◇第百六十二話◇また逢いましょう【運命の決戦編】
血だらけの手は、リヴァイの頬を赤く染める。
あぁ、なんてひどい女なのだろう。
あぁ、なんて愛おしい女なのだろう。
許してやるしか、なくなってしまったじゃないかー。
「あぁ…、仲直りだな。仲直りだ…っ。」
リヴァイが、の手を握りしめる。
すると、はとてもホッとしたような笑みを口元で作った。
いつの間にか周りには彼女に守られた兵士達が集まってきていた。
「リヴァ…イ、兵ちょう…。結婚、式は、やっぱり…海がいい、なぁ…。」
「…っ、あぁ、そうだな。海でしよう…!」
「忘れ、ないでね…。」
「あぁ、忘れねぇよ…!」
「ず、っと…、待ってる、から…。迎え、に…来て、ね…?」
「あぁ、迎えに行く…!俺は必ず、この世から巨人を駆逐する!
誰もが幸せな優しい世界をに見せてやるから、そこでまた逢おう!
何度だって、俺はを愛すると誓う…!愛してる…!永遠に…っ!」
「…兵長、は、もう…。」
ペトラが目を伏せる。
その隣で、エルドは涙をこぼすまいと天を仰いでいた。それでも、片腕で隠したそこから涙が頬を伝って落ちていく。
「…最後まで聞いたのか、は。」
「きっと聞こえてましたよ。
だって、安心したように、眠っている…。」
「そうか…、なら、よかった。よかった…。」
リヴァイは、を腕の中に抱きしめた。
いつものように柔らかくて、温かくて、優しい甘い香りがする。
いつものように、まだ、温かいのにー。
漸く拘束した敵をおとなしく出来たらしく、息を切らして走ってきたオルオは、膝から崩れ落ち、地面を悔しそうに叩いた。
そのそばでは、あれだけ勇敢に敵に立ち向かった兵士達が、まるで子供のように声を上げて泣いていた。