【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第162章 ◇第百六十一話◇2人の人類最強の兵士【運命の決戦編】
≪え…?女…?≫
リヴァイの顔なら覚えていた。
三白眼の切れ長の目、自分を本気で殺そうとしていた鬼の形相ー。
でも、目の前で、片腕になった身体でも尚、勝利を見ている瞳も、超硬質スチールを構える身体の輪郭も、思っていた兵士のカタチとはまるで違う。
胸の膨らみ、女らしい顔はリヴァイとは似ても似つかないー。
そこまで気づいて、ジークは、ライナーとベルトルトが言っていたもう1人の驚異についての話を思い出す。
『それともう1人、気を付けてほしい兵士がいます。
という女兵士です。』
『体力と筋力は劣りますが、短期戦になってしまったら
人類最強の兵士が2人いると思った方がいい。』
『へ~、あの男と同じだけ出来る女ね~。』
あのとき、ジークは重たく受け止めなかった。
だって、それくらいにリヴァイの力は驚異だと感じたのだ。
それをたかだか女がー。
まさかー。
それが大きな間違いで、自分の最も大きな過ちだったとジークが気づいたときは、もう遅かった。
は空に飛び上がり、左手に抱えた超硬質スチールを振り上げていた。
≪待て…!本物のリヴァイは何処に…!?≫
あー、と思ったときには、目の前が真っ暗になっていた。
目を切られてしまったようだ。
マズいー。
だが、そう思うことすら遅かった。
目の前が真っ暗になったのとほぼ同時に、うなじに走る痛みー。
(もう後ろにリヴァイにまわりこまれていたってことか…!?
だから、は片腕で勝利を確信して…!?)
すべてに気づいた時には、ジークはリヴァイによってうなじから引きずり出されていた。