【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第162章 ◇第百六十一話◇2人の人類最強の兵士【運命の決戦編】
リヴァイが空に一気に飛び上がった理由なら分かっていた。
自分ひとりに集中させ、仲間を投石から守ろうとしているのだろう。
それに乗ってやるつもりで、ジークも空を飛び上がったリヴァイを見上げた。
本当にくだらない。無駄な死だ。
その死に損ないを守りながら、投石の地獄を飛んできたリヴァイの覚悟なら褒めてやろう。
だが、これでもう終わりだ。
右手には、ここに来たリヴァイのためだけに用意していた石を握っていた。
それを思いっきり振り上げて、投げる。
勢いよく飛んでいったそれをリヴァイが避けたことで、命中はしなかった。
だが、右肩に当たった。
リヴァイの右腕が吹っ飛んでいく。
ご自慢の力も片腕だけじゃどうにもならないだろう。
バランスを崩して落ちて、地面に叩きつけられたリヴァイを見下ろす。
ジークは笑いそうだった。
片腕の人類最強の兵士に負ける気なんてしない。
それなのに、片腕で自分の身体を支えながらゆっくり起き上がったリヴァイは、まだ負けたつもりではないようだった。
いや、むしろ、勝利を確信したみたいに、口の端を片方だけ上げていてー。