• テキストサイズ

【金城剛士】if【B-project】

第1章 未来〜if〜


残業中、同僚から告白された。
真面目な人だし、悪くないかもなーと思って、OKした。
久しぶりに彼氏が出来てちょっと浮かれてる。
帰り道、これから来るであろう楽しいことをたくさん想像してひとり微笑みながら歩いていた。

「ゆかり…?」

名前を呼ばれて振り向くと、燃える赤い瞳と目が合った。
一瞬、胸が高鳴ったのはなぜ?

「10年待った……やっと帰ってきたんだな。」

そう言ってわたしを抱きしめる腕は力強い。
わたしは驚き戸惑い彼に話しかけた。

「あの、あなた、誰ですか……?」

彼はハッと表情を真剣なものに変え、私の顔を見下ろした。

「お前、記憶が……?!」

なんか、イケメンだし、オーラあるし、セリフもそれっぽいし、これ、なにかの撮影なのかな?でも、カメラマンさんとかいないし、個人の方なのかな。

「youtuberさんとかですか?撮影ですか?」
「はぁっ!?違ぇよ。……わかった。出直す。急に悪かったな。」

そう言って片手を上げると、人混みの中へ消えていった。
彼が日本を代表するトップアイドルだということを、私はまだ知らないーーー

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

家は一人暮らし。裕福な生活は出来ないけれど、自分だけのこのスペースが気に入っている。
帰ってJOINをチェックすると、結城くんからメッセージが入っていて、ちょっとにやける。彼、わたしのどこが好きになったのかな。わたし、これから彼のこと好きになれるかな。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お風呂あがり、ビールを開けて、なんとなくテレビをつけた。

「えっ……この人……?!」

思わず身を乗り出した視線の先には、今日駅前で見たあの人、赤い瞳が映っていた。

「芸能人……アイドルだったんだ。ひぇ〜…」

そんな人と、わたしなんてことを。

「金城……剛士。」

その名を口にすると、胸がチクリと傷んだ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

翌日。会社ではいつも通り接した。
お昼は近くの河川敷へ行って、結城くんはコンビニ弁当、自分は昨日仕込んだ弁当を食べた。

「今度作ってきてあげよう。」

にやけながら仕事をしていると、先輩に資料で頭を小突かれた。いてっ。

なんか会社で噂話されてるけど、結城くんとのことがもう回ったのかなぁ?人の噂って早いなー。

/ 19ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp