第4章 メリークリスマス
あの後、昏睡してしまったらしく、目を覚ましたのは、病室だった。
日付は、12/31で、B-projectの年末LIVEがケーブルテレビで全編生放送されていた。
病室には両親が居て、倫毘沙くんのお父さんが診察してくださった。
「ゆかり、剛士くんはね、忙しい中、看護師さんに頼み込んで、まだ家族じゃないけどって。面会時間じゃない時でも必ず、毎日あんたに逢いに来てたのよ。」
母親が涙を拭きながら言った。
「剛士くんはいい男だ。ゆかり、そばに居て、これから支えてやりなさい。」
父親の方が号泣していた。
倫毘沙くんのお父さんは、輝かしい笑顔で私たちを見守ってくださっていた。
「院長。娘のことで、息子さんにもお世話になりました。」
両親が立ち上がって深深と頭を下げた。
「あれが勝手にやったことです。こちらのお嬢さんは、せがれにとっても大切な方のようですので。これからも仲良くしてやってください、」
爽やかに笑う院長を見て、王子スマイルは家系なんだ…と悟った。